製造業の多部門採算と資金繰りをITツール(Lark)で見える化

有限会社日比野製作所

複数の事業部門を抱え、正確な部門別損益や複雑な借入返済状況の把握に課題を感じていた製造業様。Larkを活用し、会計データから自動で部門別採算や目標売上を逆算する「財務ダッシュボード」を構築しました。資金繰りへの不安を解消し、データに基づいた攻めの経営判断を可能にしたDX支援事例です。

【概要】
業種:金属プレス加工
住所:愛知県 瀬戸市萩殿町3丁目79番地
支援内容:財務DX支援、Lark導入・経営ダッシュボード構築、資金繰り管理体制の整備

相談の背景

複雑化した収益構造と資金繰りへの不安

愛知県瀬戸市で金属プレス加工を営む事業者様。主力である部品製造以外にも複数部門を展開されていますが、従来の決算書や試算表では各部門の真の収益バランスが見えにくい状態にありました。またコロナ禍に受けた融資など、借入が複数口数に及ぶため、全体の返済スケジュールが見えづらく、資金繰りに対する漠然とした不安を抱えていらっしゃいました。

課題

「会計ソフト」と「実経営」のギャップ

ヒアリングを通じて、以下の3つの課題を整理しました。

  1. 部門別採算の不透明さ: 会計ソフト上で部門分けができておらず、どの事業が利益を支えているか見えづらかった。
  2. 借入管理の複雑化: 複数口の借入があり、月々の返済合計とキャッシュフローの相関が見えづらい。
  3. 目標設定の根拠不足: 「いくら売り上げれば、必要な利益と返済原資が残るのか」という逆算の数字が曖昧だった。

支援内容

Lark Baseによる「財務ダッシュボード」の構築

会計ソフトを入れ替えることなく、既存のデータを活かして経営判断を迅速化する仕組みを構築しました。

  • 自動部門振り分け機能の実装:会計ソフトから出力したCSVデータをLarkに貼り付けるだけで、あらかじめ設定した条件に基づき、自動で各部門へ数値を振り分け。概算の部門別損益をリアルタイムに可視化しました。
  • 借入金・キャッシュフローの統合管理:過去3か年の決算・試算推移に加え、全ての借入金の返済スケジュールをダッシュボード化。資金繰りの推移を一目で把握できるようにしました。
  • 目標利益・売上の「逆算シミュレーター」:「年間でこれだけ貯蓄したい」という目標値を入力すると、借入返済額や固定費を考慮し、必要な税引前利益と目標売上を自動算出する機能を実装。経営会議で即座にシミュレーションできる体制を整えました。

支援の成果

「数字の根拠」があるから、迷いなく投資できる

毎月の経営会議でこのダッシュボードを基に議論することで、以下の成果が生まれています。

経営判断のスピードアップ: 目標への達成状況がリアルタイムで把握でき、迅速な軌道修正が可能に。

対外・対内的な説明力の向上: 取引先・社内いずれにも、財務的根拠に基づいた数字で説明できるようになったことで、組織としての信頼性が向上しました。

心理的負担の軽減: 資金繰りの「見える化」により、漠然とした不安が解消され、前向きな経営判断ができるようになった。

財務ダッシュボードの写真(※データはサンプルです)
会計ソフトからの連携マニュアル

コンサルタントの視点

既存の会計ソフトを活かしつつ、Larkを組み合わせることで、高額なERP(基幹システム)に頼らない財務管理基盤は実現できます。ツールありきではなく、企業の意思決定を加速させるための基盤作りを共に進めています。