富山県:高性能住宅推進事業費補助金のご案内

富山県は、住宅分野でのカーボンニュートラル実現とウェルビーイング向上を目指し、「富山型高性能住宅推進事業費補助金」の受付を2025年6月6日(金)より開始します。この補助金は、ZEH水準を上回る県独自の基準を満たす高性能住宅の新築や既存住宅の改修工事費等に対し支援を行うものです。

本補助金の対象事業は、注文住宅の新築または分譲住宅の購入、そして既存住宅の省エネ改修です。

補助対象者と補助限度額の概要

  • 注文住宅の新築・分譲住宅の購入
    • チャレンジ水準: 個人が対象です。補助限度額は定額10万円です。これは国の「子育てエコホーム支援事業(GX志向型住宅 160万円)」の活用が前提となります。
    • アドバンス水準:
      • 子育て世帯・若者夫婦世帯:個人が対象です。補助限度額は定額10万円です。これは国の「子育てエコホーム支援事業(長期優良住宅 80万円)」の活用が前提となります。
      • 上記以外の世帯:個人が対象です。補助限度額は定額70万円です。
  • 既存住宅の省エネ改修
    • 全体改修: 個人または民間事業者が対象です。補助率は工事費の5分の4で、補助限度額は200万円です。
    • ゾーン改修: 個人または民間事業者が対象です。補助率は工事費の5分の4で、補助限度額は120万円です。

※省エネ化のための計画策定や省エネ診断も補助対象となります。

富山型高性能住宅の基準詳細

  • 新築住宅(チャレンジ水準):
    • この水準は「環境負荷の低減と快適性を最大限まで追求する水準」と定義されています。
    • 断熱性能(UA値): 0.23 [W/㎡・K]以下 (G3)を満たす必要があります。UA値は室内と外気の熱の出入りしやすさの指標であり、値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。G3は民間基準HEAT20による基準です。
    • 気密性能(C値): 1.0 [㎠/㎡]以下が求められます。C値は住宅の気密性を示す数値で、値が小さいほど気密性が高いことを意味します。
    • 一次エネルギー消費量: 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から35%以上削減されている必要があります。さらに、自家消費型の太陽光発電設備を原則設置し、再生可能エネルギー等を含めると基準一次エネルギー消費量から75%以上削減が必要です。
    • 耐震性能: 耐震等級3に適合していることが要件です。
    • 富山らしさ: 景観的調和、伝統技術活用、県産材利用(自由選択)のいずれかに該当する必要があります。例えば、屋根全体が瓦葺であることや軒の出が0.75m以上であること、外壁の一部を漆喰や板張り仕上げにすることなどが含まれます。
    • その他(アドバンス/チャレンジ共通の配慮項目): 高効率給湯器、蓄電池、V2H、HEMS、再生可能エネルギー熱利用設備、制振・免震装置、維持管理・劣化対策、バリアフリー、全館空調システム、熱交換換気システム、床暖房などの項目から4項目以上に該当する必要があります。
  • 新築住宅(アドバンス水準):
    • この水準は「環境負荷の低減と快適性を高いレベルで確保する水準」と定義されています。
    • 断熱性能(UA値): 0.34 [W/㎡・K]以下 (G2)を満たす必要があります。G2も民間基準HEAT20による基準です。
    • 気密性能(C値): 1.0 [㎠/㎡]以下が求められます。
    • 一次エネルギー消費量: 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から25%以上削減されている必要があります。自家消費型の太陽光発電設備を原則設置します。
    • 耐震性能: 耐震等級2に適合していることが要件です。
    • 富山らしさ: チャレンジ水準と同様の基準が適用されます。
    • その他(アドバンス/チャレンジ共通の配慮項目): 前述の配慮項目から2項目以上に該当する必要があります。
  • 既存住宅(全体改修):
    • 建物全体を新築アドバンスレベルに断熱化する改修を指します。
    • 断熱性能(UA値): 0.34 [W/㎡・K]以下が求められます。
    • 気密性能(C値): 5.0 [㎠/㎡]以下が求められます。
    • 一次エネルギー消費量: 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から20%以上削減されている必要があります。
    • 耐震性能: 壁量1.25倍(耐震等級2相当)が求められます。
    • 改修前の状態でZEH水準を満たす省エネ性能を有していないことが要件です。
  • 既存住宅(ゾーン改修):
    • 居間や浴室、トイレ、寝室等、普段よく利用する空間に限定した改修を指します。
    • 住みながらの改修工事やコストを抑えた改修工事が可能とされています。
    • 断熱性能: 断熱改修範囲の熱的境界について、ZEHレベルの仕様基準に適合する建材で断熱化することが求められます。
    • 耐震性能: 壁量1倍(耐震等級1相当)が求められます。

補助対象となる世帯要件

  • 「子育て世帯」とは、申請時点において子を有しており、令和6年4月1日時点で18歳未満(平成18年4月2日以降出生)の子を有する世帯を指します。
  • 「若者夫婦世帯」とは、申請時点において夫婦であり、いずれかが令和6年4月1日時点で39歳以下(昭和59年4月2日以降出生)の世帯を指します。

申請受付開始日と問い合わせ先

本補助金の申請受付は、2025年6月6日(金)から開始されます。
詳細については、富山県土木部 建築住宅課住みよいまちづくり係(電話番号:076-444-3357)までお問い合わせください。

用語解説

  • UA値(外皮平均熱貫通率): 室内と外気の熱の出入りしやすさの指標です。値が小さいほど断熱性能が高いことを示します。
  • G2・G3: 民間基準HEAT20による断熱性能の基準です。
  • C値(相当隙間面積): 住宅の気密性能を示す数値です。値が小さいほど気密性が高いことを示します。
  • ZEH水準: 強化外皮基準(住宅の品質確保の促進等に関する法律の評価方法基準における断熱等性能等級5以上の基準)を満たし、かつ再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量が省エネ基準の基準値から20%削減となる省エネ性能の水準を指します。